【そばが伸びる】についての考察

【そばが伸びる】についての考察

そばは、伸びます ノビマス ^^;

伸びるのですが、
では一体伸びやすい蕎麦ってどんな蕎麦でしょう?

一般的に言うと答えは良い蕎麦です。(あくまでも一般的にです)

伸びやすい蕎麦っていういのは

1.加水率が高い
(水分を多く含むそばほど伸びやすい)

2.割り粉(つなぎ)の量が少ない、または使っていない
(一般的に割り粉は小麦粉です)

3.製造過程において、麺体を締めすぎていない
(まあ、手打ち蕎麦っていうことでしょうか)

4.作ってからの時間が経過していないもの
(ただし、そばを入れる船(木)で冷蔵保存しているとしてです。
 時間が経過すると表面から徐々に乾燥してきます)

っとまあそんな感じでしょうか。

1については、単純で水分の量が多ければ伸びやすいですよね ^^;

2については、更科粉(または近いもので一番粉)を使った場合は、
高純度の澱粉質なので少し話は変わるのですが、
挽きぐるみ粉(甘皮を含むすべての部分を丸ごと挽いた粉)や
二番粉とか3番粉などを使用したそば粉は
水溶性蛋白質を含んでいるため、伸びやすい性質をもっています。

どちらの粉を使うにしろ、そのまま小麦粉無しでも
蕎麦は作れるわけですが、一般的には割り粉を使用します。

小麦粉は主には澱粉・蛋白質でできていて一見すると蕎麦も
近い感じがしますが、決定的に違うのは
小麦粉の蛋白質は水を加え、撹拌すると
蛋白質(グルテニン・グリアジン)によりグルテンが形成される点です。

いわゆる【こし】っていうやつですね。

ところが、蕎麦の蛋白質っていうのは
水溶性の為、グルテンが形成されることなく水に溶けだしてしまいます。

ですので、割り粉の少ない蕎麦っていうのはとても切れやすく伸びやすいわけです。

そばの場合、蛋白質が水溶性ということと、
澱粉でグルテンが形成できないので、
それを補うため、割り粉として小麦粉を使うわけです。

純粋に美味しい蕎麦というとやはり、
小麦粉をほとんど使用しませんので、
足が速い(業界用語です 笑 駄目になるのが早いっていう意味です)
状態になります。

3については、麺体を締めすぎないというのは、
要するに機械でプレスしないということであり、
プレスすることによって麺が圧迫され吸着するので、
密度が高くなり水分が少なくても、蕎麦を作ることができるからです。

4については、冷蔵保存した場合で、
さらに密閉していないなどの条件付きですが、
通常、そば屋では蕎麦船にいれ冷蔵保存するので、
時間とともに麺体は乾いていきます。

乾いてくことにより、若干伸びが遅くなります。

分かり易くいうと、乾麺の蕎麦は伸びにくいですよね ^^;

とまあ、伸びるということに焦点を当てた考察でしたが、
当方は単なるそば屋で、細かなことまでは・・ですが、
そば屋なりに考察してみました  :mrgreen:

プロが作り、プロが茹で、最高のタイミングで提供する美味しい蕎麦。
これを家庭で再現するのは限りなく難しい問題だということが、
少しだけ、ご理解いただけるでしょうか ^^;

●宣伝 笑

富泉は出前と通販専門のそば屋ですので、
美味しい蕎麦=伸びやすい という点に長年向き合い、
出来る限り伸びにくく美味しい蕎麦に近づけるよう
専門の蕎麦を開発してきました。

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店で食べて美味しいではなく、
家で食べて美味しいにこだわりぬいた蕎麦なんですよ~  😉


posted by そば富泉

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